「外国人患者による医療費未払い」問題から見える医療制度のすき間

板橋区議会議員の近藤タカヒロです。

近藤タカヒロ

今回は、外国人の医療問題についてお伝えします。

私たちの暮らしを支える医療制度。

日本には「国民皆保険制度」と呼ばれるしくみがあり、原則としてすべての人が医療保険に加入し、必要なときに医療を受けられるようになっています。

ところが近年、この制度が想定していなかった問題が起きています。それが、「外国人患者による医療費の未払い」です。

目次

実際に起きている「外国人患者による医療費未払い」問題とは?

「外国人患者による医療費未払い」問題から見える医療制度のすき間(板橋区議会議員 近藤タカヒロ)

新宿区では、外国人患者の方が診療を受けたあと、医療費を支払わずに帰国したり、所在が分からなくなったりするケースが多数報告されており、年間で約11億円の未収金が発生しています。

厚生労働省の調査では、全国の医療機関の約3割で外国人患者による未収金が発生しており、板橋区においても同様の課題に対応できる体制づくりが非常に重要となります。

なぜ、医療費の未払いが起きるのか?

「外国人患者による医療費未払い」問題から見える医療制度のすき間(板橋区議会議員 近藤タカヒロ)
近藤タカヒロ

この問題は、医療制度の構造上の「すき間」が原因と言えます。

医療費未払いの事例
  • 短期滞在や観光で来日し、保険に加入しないまま医療機関を受診
  • 在留外国人の国民健康保険料の未納率が高い問題
  • 留学生や技能実習生などが保険に未加入のまま治療を受けるケース
  • 高額な医療を受けたあとに帰国し、費用回収が困難になる事例

こうした現象は、制度が「すべての人が保険に加入している」という前提で運用されているため、想定されていなかった「例外」が生じているのです。

体制が整っていない病院では未収金が発生しやすい

「外国人患者による医療費未払い」問題から見える医療制度のすき間(板橋区議会議員 近藤タカヒロ)
近藤タカヒロ

厚生労働省の統計では、外国人による高額療養費の支出は全体の「約1.15%」にとどまるとされています。

これらのデータから、外国人患者による医療費未払いは、全体の未収金に占める割合としては多いとは言えません。

ただ、平成30年度の厚生労働省による全国1,000以上の病院への調査では、「訪日外国人による未収金はない」と回答した医療機関が約7割を占めた一方、自由診療での料金設定や支払回収の方法が各医療機関に委ねられており、体制が整っていない病院では未収金が発生しやすい実態も明らかになりました。

医療通訳、事前の費用説明、支払手段の整備といった点でもばらつきがあり、そうした設備の違いが「未収金の起きやすさにも関係しているのではないか」という声も出ています。

国だけでなく板橋区としても対応していく

「外国人患者による医療費未払い」問題から見える医療制度のすき間(板橋区議会議員 近藤タカヒロ)

この課題に対しては、国が制度全体を見直す動きもありますが、板橋区としても以下のような対応・働きかけをしていくのが大切だと思います。

働きかけの一例
  • 区内医療機関と連携し、未払いの実態や課題を調査する
  • 保険制度についての案内を、多言語で丁寧に行う
  • 未収金が発生した場合のルールや相談窓口を整備する

また、こういった課題を受けて板橋区として今年度から「東京出入国在留管理局と連携」し、ビザ更新の際などに納付を促す「協力要請制度」を施行していきます。

これらは、外国人の方を排除するためのものではありません。

想定されていなかった制度の「すき間」を埋めて、医療を支える仕組みをより公平で持続可能なものにするための取り組みです。

医療制度は、今を生きる私たちだけでなく、未来の子どもたちにも受け継いでいく大切な社会の財産です。

近藤タカヒロ

この課題について、近藤タカヒロは、板橋区の区議会議員として議会や行政への声をあげていきます。

近藤タカヒロ

近藤タカヒロは、自由民主党、板橋区議会議員です。

地元板橋区の皆さまに「明るい未来を想像し、創造する」この想いを胸に、皆さまの声を議会に届けます。

近藤タカヒロOfficialホームページ

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